2020年本屋大賞にノミネートされた『むかしむかしあるところに、死体がありました。』で人気を博した青柳碧人さんの続編『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』を読みましたのであらすじを含めて感想を書きたと思います。また、読みやすいので、読書感想文にもオススメの作品です。
カズレーザーさんもオススメ本に挙げられてましたし
気になっているひと多いですよね!
この記事はこんな人に読んで欲しい
- 気になってるけど読もうか迷っている
- もう読んだので他の人の感想が気になる
私なりの感想を書きますので、是非参考に!
ちなみに、『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』は今ならオーディブルで無料で聞けます!
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あらすじ
一作目の『むかしむかしあるところに、死体がありました。』が日本昔話をモチーフにしたミステリー短編集でした。
本作『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』は西洋の童話をモチーフにした連作短編集です。
物語の主人公「赤ずきん」はクッキーとワインをある場所に届けるため旅に出ますが、その途中で様々な事件に遭遇します。(ちなみに、赤ずきんは探偵役です。)
物語は以下の4話です。
- ガラスの靴に共犯者
- 甘い密室の崩壊
- 眠れる森の秘密たち
- 少女よ野望のマッチを灯せ
タイトルを見れば、だいたいどの童話が下敷きになっているかわかると思うので、ネタバレしますと
- 「シンデレラ」
- 「ヘンゼルとグレーテル」
- 「眠り姫」
- 「マッチ売りの少女」
です。
ファンタジー要素もあるので、魔法とかも普通に出てきます笑
ミステリーに魔法出てきたら、完全犯罪成立やん!
とはいえ、構成がしっかりしていて、無理くりなところもないので、最後までワクワクしながら読めました!
ガラスの靴の共犯者
元ネタ「シンデレラ」
赤ずきんは、継母と二人の姉に虐められる可哀そうな少女シンデレラに出会います。意気投合した二人は魔女のバーバラに姿を変えてもらい、舞踏会へと出かけることになります。しかし、二人を乗せたカボチャの馬車は炭焼き職人のハンスを轢いてしまうのです。
シンデレラと赤ずきんはこの事故を隠蔽しようとします。
いきなり赤ずきんが犯人!?
ところが、物語は意外な展開を迎えることに、、、
甘い密室の崩壊
元ネタ「ヘンゼルとグレーテル」
継母に森へと捨てられたヘンゼルとグレーテル兄妹。たどり着いたのは魔女が住むお菓子の家でした。しかし、その魔女は、少年は監禁し、太らせて食べる。少女には重労働をさせて、苦しむ姿を見ては喜んで高笑いするという恐ろしい魔女でした。どうにか魔女を退治して逃げ延びたヘンゼルとグレーテルの兄妹。二人はお菓子の家を利用して、仲の悪かった継母の殺害します。完全犯罪は成立するかに思えたが、たまたま現地を訪れた赤ずきんによってその罪が暴かれていくんです。
あらかじめ犯人がわかっているお話!
いわゆる倒叙ミステリーですね!
眠れる森の秘密たち
元ネタ「眠り姫」
古びたお城のあるグーテンシュラー王国を訪れた赤ずきんは、そこで眠り続ける美女と、彼女を見守るキッセン宰相らに出会う。街で起きた殺人事件と、焼失した眠れる美女の謎。
眠り姫は結局目覚めないので、事件は直接関係しませんが、
赤ずきんによって、ある秘密が見つかるのです。
この話は登場人物も多く、内容も複雑でした。ゆっくり読み進めた方がいいかも。
少女よ野望のマッチを灯せ
元ネタ「マッチ売りの少女」
貧しい少女エレンは、マッチもなかなか売れず、町の人からも蔑まれていました。その時、マッチを擦ると「自分の見たい夢をみることが出来る能力」を天使から授かります。エレンはこの能力を使い、巨万の富を築く計画を企てるのです。エレンはその計画を見事に成功させます。しかし、その計画は同時に多くの人を苦しめるものでもあったのです。そこに赤ずきんが訪れたことでその運命は暗転していきます。実は赤ずきんの旅の目的とも絡んでいたのです。
個人的には、一番好きな話です。
感想
ポップな作品で楽しめました。読みやすいので、子どもから大人まで楽しめる作品だと感じました。
原作を知っている方が楽しめる
表紙やタイトルは、一見児童書のような雰囲気を醸し出していますが内容は本格的なミステリーでした。
『コナン』を見ているような感覚に近いです!
モチーフとなっている童話は先にも述べましたが、誰もが一度は聞いたことがあるタイトルだと思います。
- 「シンデレラ」
- 「ヘンゼルとグレーテル」
- 「眠り姫」
- 「マッチ売りの少女」
ただ、なんとなくのストーリは把握していますが、細かいところが曖昧でした。
皆さんは各童話の物語知ってますか?
なので、どこまでが原作どおりで、どこからが付け加えられているのかがわかりませんでした。(いまだにわかっていません笑)
もし余裕があるなら、インターネットか何かで
もし余裕があるなら、インターネットか何かで原作のストーリーを調べてから読むことをオススメします!
誰もが感じたであろう疑問を伏線に
子どもの頃、昔話や童話を読んでいるとき、設定に疑問を持った経験ないですか??
例えば
- 「ガラスの靴は何で0時になっても魔法が解けないの?」
- 「お菓子の家は、雨でふやけたり、動物に食べられたりしないの?」
みたいな疑問です。
私は子どもの頃からひねくれ者だったので、、
本作では、そういった疑問をむしろ伏線に使っています。
なので、
「だから、ガラスの靴は消えなかったんだ!」
「だから、お菓子の家は原型を保つことができていたんだ!」
と、妙に納得してしまいます。
あくまでも、作者の想像です笑
でも、この発想になる青柳さんスゴイです!!
まとめ
皆さんオススメされていたので読んでみましたが、期待どおりの作品でした!
大人に限らず、子どもでも知っている童話なので、親子で読んで感想をシェアしてもいいかもしれないですね!
自分ならどんなストーリーにするかを考えながら読んでも面白いかもしれません。
いろいろな楽しみ方ができるので、まだ読んでいない人は、次の読書候補に入れてみてください!
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