- 『少女マクベス』のあらすじや感想を知りたい
- 『少女マクベス』を読んだ人のレビューが気になる
本記事はそんな方の疑問にお答えします。
演劇女子学校という特殊な舞台で繰り広げられる、緊張感溢れる学園ミステリー――降田天著『少女マクベス』は、シェイクスピアの名作『マクベス』をモチーフにしつつ、天才と呼ばれた少女の死の謎を描いた話題の作品です。演劇に青春を賭ける少女たちの情熱、友情、そして嫉妬といった複雑な感情が絡み合う中、事故死した天才劇作家・設楽了(したら りょう)の本当の姿とは?
この記事では、本作の見どころや登場人物の心理描写、そして結末に込められたメッセージについて、感想とレビューを交えてご紹介します。
- 『少女マクベス』のあらすじ・感想・レビュー
- 『少女マクベス』がおすすめな人
『少女マクベス』のあらすじ
本の詳細 | 内容 |
---|---|
タイトル | 『少女マクベス』 |
著者 | 降田天 |
出版社 | 双葉社 |
発売日 | 2024/8/28 |
ページ数 | 376ページ |
Audible再生時間 | 10時間46分 |
降田天著『少女マクベス』は、演劇女子学校を舞台にしたミステリー小説です。物語の中心となるのは、劇作家志望の結城さやかと「神」と呼ばれた天才少女・設楽了(したら りょう)の2人。さやかは設楽と同じく劇作家を目指し、演劇女子学校に入学しましたが、設楽は学内で唯一無二の天才と称されており、さやかにとっては目標でありライバルでもありました。
しかし、物語は設楽の死によって急展開を迎えます。彼女は自身が手がけた舞台『マクベス』の上演中に事故死したとされていますが、その死には不審な点が多く、謎が残されていました。そこで、彼女の死の真相を解明しようと、新たに入学してきた藤代貴水(ふじしろ たかみ)が調査を開始します。貴水は学校内で聞き込みを行いながら、少女たちが隠していた秘密に迫り、次第に事件の真相と演劇学校内の複雑な人間関係を暴いていくことになります。
『少女マクベス』は、閉鎖的な空間である演劇女子学校という舞台設定と、青春群像劇の要素を取り入れた作品であり、真実と嘘、友情と嫉妬が交錯する物語です。
『少女マクベス』の感想
この本を読んだ感想としては、以下のようなポイントが挙げられます。
- ミステリー初心者にオススメの一冊
- 複雑な人間関係を軸にしたストーリー
- シェイクスピア『マクベス』との巧妙なリンク
- リアルで緊張感のある青春群像劇
ミステリー初心者にオススメの一冊
『少女マクベス』はミステリー初心者に適した作品といえます。舞台設定や登場人物の関係がシンプルで、物語の展開も分かりやすく、初めてのミステリー小説として楽しめると思います。
複雑な人間関係を軸にしたストーリー
作品は単なる謎解きにとどまらず、キャラクターの心理や人間関係に焦点を当てているのが特徴です。それぞれが抱えるプライドや自尊心の衝突、そして天才少女の存在が周囲に与えた影響が、物語の深みを生み出しています。
シェイクスピア『マクベス』との巧妙なリンク
タイトルにある『マクベス』の要素は、劇中劇として物語に取り入れられ、登場人物たちの感情や運命を反映するような役割を果たしています。このリンクが作品に重厚感を与え、シェイクスピア好きにも興味を引かれる設定となっています。
リアルで緊張感のある青春群像劇
学園ミステリーという枠組みを超え、現実感のある人間関係の描写や青春の葛藤をリアルに描いています。「ひりつくようなリアルさ」とも評され、青春小説としても高い完成度を誇る作品です。
『少女マクベス』を読んだ人のレビュー
演劇学校内で起きた数年前の事件を新入生が他殺ではないかと真相を知るために入学してきた。
その事件の渦中にいたメンバーと新入生がぶつかり合いながらも、あの日何があったのかが少しずつ明かされていく。
最後は、思わぬの人物が深く関わっていて、最後まで一気読み間違いなしの作品だと思います!
最初から引き込まれる内容で、文章も非常に読みやすく中弛みもなく一気に読めたし、登場人物一人ひとりが際立っていて背景もわかりやすく、情景がイメージしやすく読んでいて飽きることがありませんでした。
終盤に事件が起きてからは早く先が読みたくて食いつくように読んでいました。
他人と比較して自分を見失ったり、勝手に期待をかけて相手に重荷を背負わせたり、背負わされたり、人が追い詰められる原因は色々でその人間関係によって引き起こされる人間模様は共感できるところもあり非常に面白かった!
演劇女子学校という特殊で閉鎖的な空間で起きた天才的な演出家志望の生徒の死の真相を同じ学校に通う生徒たちが解き明かしていくミステリーです。容疑者や探偵役の生徒たちの裏の事情が徐々に明らかになるうちに真相に近づいていくという心理劇風なミステリーです。私は演劇については全くの素人ですが、物語の中で演劇界のことが丁寧に説明されているので、楽しく読めました。努力ではどうにもならない才能が結果に大きく影響する演劇界の現実の中であがく生徒たちの様子がリアルに描かれていました。私たちの身近な実力社会の一面が投射されているようでした。私のような凡人からすると、天才と言われる人が苦悩する一面が垣間見られてとても興味深かったです。
『少女マクベス』はどんな人におすすめ?
『少女マクベス』は 以下のような人におすすめです。
- 学園ミステリーや青春小説が好きな人:舞台は女子の演劇学校という特殊な環境で、学内の人間関係や青春の葛藤が描かれているため、学園ミステリーや青春小説を好む人にとって非常に魅力的です。
- シェイクスピア作品に興味がある人:『少女マクベス』はシェイクスピアの『マクベス』とリンクする要素が盛り込まれており、シェイクスピアの世界観が好きな人にとって、物語の構成やタイトルの意味を探る楽しさがあります。
- 複雑なキャラクター心理に興味がある人:登場人物たちが抱えるプライドや自尊心、ライバル心などの心理描写が丁寧に描かれており、キャラクター同士の感情のぶつかり合いを深く味わいたい人におすすめです。
『少女マクベス』:まとめ
『少女マクベス』は、学園を舞台にしたミステリー作品でありながら、演劇の魅力とシェイクスピアの重厚なテーマを織り交ぜた青春群像劇です。物語の随所に散りばめられた伏線と、登場人物たちの複雑な心情が絡み合い、最後まで目が離せない展開が続きます。ミステリー好きはもちろん、シェイクスピアに興味がある方や、人間の内面に深く迫る物語を求める方におすすめの一冊。ぜひ、この緻密に作り込まれた物語の真相を、自分の目で確かめてみてください。