【書評・要約】『ゆるストイック』変化の時代を自分らしく生きるヒントを見つけよう

こんにちは！ 今日は、最近読んで「これは！」と感じた一冊、佐藤航陽さんの『ゆるストイック』についてご紹介します。

自己啓発系の本は久しぶりに手に取ったのですが、この本の「自分の価値観を大切にしつつも、柔軟に適応する、『ゆるストイックな生き方』」というキャッチフレーズに強く惹きつけられました。

この記事では、『ゆるストイック』の要点や感想を紹介し、あなたの人生に役立つ知恵を共有します。ぜひ、最後まで読んでくださいね。

『ゆるストイック』ってどんな本？

本の詳細	内容
タイトル	ゆるストイック
著者	佐藤航陽
出版社	ダイヤモンド社
発売日	2025/2/18
ページ数	257ページ(文庫本)
Audible再生時間	00時間00分

本書は、IT企業創業や宇宙開発など、様々な分野で活躍されている佐藤航陽氏が、これからの時代をどう生きるべきかを考察した自己啓発書です。2025年2月にダイヤモンド社から出版されました。

全体は6章構成で、コロナ禍前後で起きた社会や価値観の変化、古い価値観のアップデート、成功の法則、ゆるストイックな生き方の心得、継続のコツ、そして現代社会の価値観の対立と対応方法といった内容が語られています。

タイトルの「ゆるストイック」は著者の造語で、「ゆる」は他人の価値観を受け入れ、自分の価値観を押し付けない柔軟さ、「ストイック」は黙々と自己管理を行いながら継続的に成長する力を指しています。自分には厳しく、他人には寛容に接するという、一見すると相反する要素を組み合わせた生き方です。

印象に残ったポイント3つ

1. 超格差社会を生き抜くための新しい羅針盤

この本を読んで、まず現代社会が想像以上に「超格差社会」になっていることを再認識しました。先進国では裕福な人と貧しい人の二極化が進み、かつて社会の中心だった中間層が減っているという現実。技術の進化に適応できるかどうかが、人生のスタートラインにも影響するという厳しい指摘もありました。

コロナ禍を経て「頑張らなくていいんだよ」という風潮が広まり、無理をしない生き方が支持されましたが、著者はこうした「意識低い系」の考え方だけでは、競争が激化し格差が開く今の環境で生き残るのは難しくなっていると述べています。かといって、昔のような競争に勝ち続けることを目指す「意識高い系」に戻るのも難しい。

そこで必要となるのが、本書が提案する「ゆるストイック」な生き方なんです。競争にとらわれすぎず、かといって流されることもなく、淡々と自分のペースで歩み続けるスタイル。周りのノイズに流されず、自分にとってやるべきことを明確にして集中すること。これからの時代、自分を見失わずに生きていくために、この「ゆるストイック」という新しい羅針盤を持つことの重要性を強く感じました。

2. 成功は「独自性」と「タダ乗り」の掛け算で生まれる

成功するためには才能が必要だと思われがちですが、本書では成功に最も影響するのは才能よりも「運」であると数学的に証明された研究を引用しつつ、運任せにするのではなく「工夫次第で運をコントロールできる」と述べています。

その工夫というのが、成功を「独自性」と「タダ乗り（フリーライド）」の掛け算で捉えること。独自性とは、他にはない自分だけの性質や立ち位置。タダ乗りとは、すでに存在する基盤やプラットフォーム、サービスなどを活用することです。YouTubeやSNSを使って活動を知ってもらうことなどがその例として挙げられています。

独自性を出すためには、競争相手が少ない「ニッチ」な領域を見つけるのが手っ取り早いとのこと。そして、そのニッチを見つけるヒントは、「好きなこと」「得意なこと」、そして「需要があること」が重なる分野にあるそうです。特に「好き」「得意」から探すのが推奨されていました。

この「独自性」にストイックに取り組み、それ以外は世の中の基盤に「ゆるく」タダ乗りする。このバランス感覚が成功の鍵だと知り、すべてをゼロから自分で作り出す必要はないんだ、と肩の荷が下りたような気持ちになりました。

3. 継続の秘訣は「ゲーム化」

どんなに素晴らしい考え方や目標があっても、継続できなければ意味がありません。本書では、日々何かを続けるためのヒントとして「日常をゲームのように変えてしまう」という発想を提案しています。

人は成功が確実なことには飽きやすい一方、不確実性のある状況、特に2～3割くらいの確率で報酬が得られる場合に最も夢中になるという研究結果があるそうです。ギャンブルやSNSの通知に夢中になるのも、このランダム性が関係しているのだとか。

この性質を利用して、目標達成のプロセスを「ゲーム」に見立てるんです。少し背伸びして、今の自分には難しそうだけど頑張れば届くかもしれない、というレベル（成功率2～3割程度）のタスクを設定する。失敗の方が多いけれど、たまにうまくいく、そのランダムな成功体験が継続へのモチベーションにつながる、という考え方です。

『ゆるストイック』から得られた学び・気づき

まず、自分がコントロールできることに意識を集中することの重要性です。他人の評価や景気、天気など、自分ではどうにもできないことに悩んでも仕方がない。自分が考え、判断し、行動すること、つまり「自分の行動」に焦点を当てることで、無駄なストレスが減り、心が穏やかになる。

また、変化の激しい時代には、リスクをゼロにすることは不可能だと受け入れ、小さなリスクを分散して取りながら、トライ＆エラーを繰り返すことが必要だと感じました。失敗は避けるべきものではなく、成功するためのプロセスの一部であり、失敗に慣れることが大切だという考え方も、挑戦へのハードルを下げてくれます。

さらに、本書では運をコントロールする方法として、「思考回数を増やす（たくさん試す）」、「自分と環境を見つめ直すメンテナンス時間を持つ（日記や日々の点数付け）」、「たくさんの依存先を作る（複数のコミュニティに属する）」といった具体的な方法も紹介されており、これらはすぐにでも実践できることだと感じました。孤独に頑張るのではなく、他者と協力し合う姿勢や、頼れる人がたくさんいる状態こそが本当の自立に近いという言葉も印象的でした。

『ゆるストイック』を読んだ人のレビュー

『ゆるストイック』がおすすめな人

『ゆるストイック』：まとめ

『ゆるストイック』は、先行き不透明な現代社会を自分らしく、そして力強く生き抜くための新しい指針を示してくれる一冊でした。過去の価値観にとらわれず、自分自身と向き合い、柔軟に、そして淡々と努力を続けることの重要性を改めて感じさせてくれます。

おすすめ度：★★★★★

「頑張る」にも「頑張らない」にも振りきれない、中間でふわふわしているような感覚を持っている方も多いのではないでしょうか2。そんな方こそ、ぜひこの本を手に取ってみてください。きっと、あなたがこれから進むべき道のヒントが見つかるはずです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました！

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